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執筆者の写真勝部デザイン事務所

ブランドを育成していくポイント ①


リニューアルデザイン


時代や流行による消費者のニーズの変化、また競合品の出現など、刻々と変わる状況に対応するブランドを維持していくには、常にメンテナンスを怠ってはいけません。新商品が次から次へと投入される激しい市場では、パッケージデザインのリニューアルは重要なマーケティング手法です。たとえ商品の中身が変わらなくとも、時代に合ったデザインのリニューアルは、市場での新鮮さを保つために必要です。もちろん中身が変われば、それを消費者に伝えるためにリニューアルは行われます。



リニューアルデザインは変え過ぎないこと

まずリニューアルする場合のポイントは、あまりデザインを変え過ぎないことです。それまで築いてきたイメージであるブランドカラーやマーク、ロゴタイプなどのデザイン資産を変えるには余程慎重にやらなければなりません。特にこの3つのデザイン要素は消費者の心の中にイメージとして既に構築されています。基本的にはこの3要素はあまり変えずに、ブランドの目指すポジションやイメージを維持しながら、全体的に少しづつ変えていくのが得策です。国内ブランドの中にも新しさを強調したいがために、大幅にデザインを変更して失敗している例がたくさん見られます。



分かるか分からないくらいのわずかな変更

ロングセラーブランドのパッケージデザインの多くはブランド育成の成功例ですが、特にネスカフェ「エクセラ」、明治乳業「ブルガリアヨーグルト」などは、長きに渡り新鮮なブランドとして常にそのポジションを維持しています。海外では有名なタバコの「ラッキーストライク」などがあり、これらにデザインに共通しているポリシーは、一見して変化したのかどうか分からない程度のデザイン変更です。しかしながら確実にデザインは進化していて、新しい時代にマッチしたデザインになっています。ロングセラーブランドの場合、長く愛されて、多くのお客様がついています。急激なリニューアルデザインは既存のお客様に混乱を招いてしまうことになります。


さらにデザイン資産を育てていく

ロングセラーブランドのパッケージデザインは、長い時間を掛けて消費者の心の中に醸成された貴重なデザイン資産です。最終的には一目見て、どのブランドか覚えてもらえれば成功です。それにはブランドカラーやマーク、ロゴタイプなどのデザイン要素を大切にして、じっくりと育てていくことが肝要です。





まとめ

私の印象では、日本の企業は簡単にブランドカラーの変更を指示したりなど、どうもブランド資産を大切にしていないように見えます。せっかく長い時間をかけ、コストやエネルギーを費やし育てたブランドをもう少し大切にして欲しいのです。最近「ブランディング」と言うことをよく聞きますが、あまり安易に捉えず、ブランドを育てるには、メンテナンスを怠らない腰を据えた長い取り組みが必要です。



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