グラフィックデザインの場合は平面印刷なのでオフセット印刷がよく使われますが、パッケージは立体物であることやその素材によって印刷方法が変わります。それぞれの素材に適した印刷方法を駆使して、美しいパッケージに仕上げていきます。おおよそ5種類の印刷方法があり順を追って説明します。
オフセット印刷(平版)
製版にかかる時間やコストが少ないため、大量印刷が安くできる印刷です。油性インクと水とが互いに反発し合う性質を利用して印刷します。平面の美しい印刷物を仕上げるのには一般的な印刷方法で、美しいグラデーションや細かい印刷に向いて
います。パッケージでは紙ラベルや平易な印刷物に
適しています。
<適した素材> 紙
菓子箱、牛乳などの飲料箱、化粧箱、紙ラベル、紙ラベル、ティッシュ箱 ほか
グラビア印刷(凹版)
パッケージで一番よく使われる印刷で、金属板の凹みにインクを流し込み、押し付ける印刷方法です。インクの層が厚くなるため、濃いベタ印刷やカラー
写真の再現性に優れていますので高級感が必要とされる商品に使われます。ただあまり細かい印刷には向いていません。また版代にコストがかかるため、大量印刷になる場合が多いです。
<適した素材> フィルム、プラスチック
即席めん袋、洗剤、豆腐、レトルト食品、高級な菓子袋、パン袋、ギフトボックス ほか
フレキソ印刷(凸版)
ゴム印のように版の凸部分にインクを乗せて転写する印刷方法です。版が樹脂でできているため、大量に印刷する場合には向きません。カラー写真の再現性には不向きで、色ベタムラが出やすいので色数は1〜2色で、簡易な印刷のコストを抑えたい場合に向いています。
<適した素材> 段ボール、レジ袋
段ボールなど
シルク印刷
シルクの布の網の間からインクをヘラで刷ることで印刷を行う方法です。インクを熱く盛ることができ、ガラスや金属の曲面にも印刷できます。但しあまり複雑な印刷はできません。
<適した素材> 金属、ガラス、布、プラスチック
化粧品ボトル、飲料や食品・薬品のガラスびん、Tシャツ、海苔缶 ほか
ホットスタンプ
金や銀などの金属光沢を再現する時に使われる方法で、箔押しとも言われます。熱によって箔を圧着させる方式で、通常ワンポイント的に使われる場合が多いです。事前に素材と印刷方法や見本を印刷会社より説明を聞くことをお勧めします。
<適した素材>紙、金属、ガラス、プラスチック
化粧品の箱とボトル、飲料、食品・薬品の容器と箱 ほか
まとめ
パッケージ印刷は平面印刷とは違い、特殊な印刷でありロット数によってコストに大きな差が出ます。さらに印刷後の加工作業(箱の組立や焼き付けなど)も加わりますので、大量に印刷する方が圧倒的に安く上がります。また卓越した印刷技術や専門機器も必要となりますので、パッケージ印刷に特化した印刷会社が多いのも現状です。最近ではインターネットなどで簡易な少量印刷を受けるサイトも見られますが、仕上がりの精度が良いかどうかは疑問です。
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